【レシピあり】プリン作りにハマった話

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数年に一度、猛烈な料理を作りたい熱が出る。
今回はプリン。何故かプリン。ぶっちゃけ、そこまで好きではないプリン。
今回は趣向を変えてプリンの話を。

きっかけ

何故プリンだったのか?今となっては思い出せないのだが(ほんの半月前のことだが)。
2年ほど前から茶碗蒸し作りにハマっていて、秋〜春にかけて1シーズンで50回は軽く作ると思う。
自分で言うのも何だが、かなりの自信があり、近所等々の店で茶碗蒸しを頼むが正直自分で作った方が美味い。
絶妙なプルプル具合でシルクのような舌触りなのだが。
その絶品茶碗蒸しを食べる毎に『だし汁を生クリームに変えたらプリンだよな』と何度も思ったのは確か。
なので作ってみたかった。

まずはレシピ探しから

俺はかなり料理はやる方だと思う。
ひとつのこだわりがあるんだが。まずクックパッド等の素人が投稿したレシピは一切参考にしない
理由は素人が作ったレシピを真似しても素人の味にしかならないから。
かなり下の方までスクロールしまくって、ちゃんとした料理人が公開してるレシピを探しだしたりするが、料理人ってそもそもレシピを公開しない。
なので書籍を購入して、それを参考にしている。

今回のプリンはイタリアン・シェフの落合さんの弟子の小野美咲さんのイタリアン ドルチェを参考にした。

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目標はパステルなめらかプリンを超えること!

どうせやるならトコトンやりたい!
ということで目標を設定した。
目標はパステルなめらかプリンを超えること!
もちろん食べたことあって美味いなぁと思ったし、今回はトロトロのなめらかなプリンを作りたかった。
なのでパステルなめらかプリンを目標に設定。
人間やってやれない事は無い!

1回目

このレシピ本もそうなのだが、オーブンで焼く焼きプリンのレシピ。俺は茶碗蒸しと同じように蒸して作りたい。
ということで茶碗蒸しと同じように蒸して作ってみた。
途中、茶碗蒸しと同じように串を刺して蒸し具合を確認するが全然固まらず。結果的に非常に固いプリンに。

味は、非常に美味いのだがタマゴの味が強い。『卵プリン』といった感じ。
うむ、これではない。

2回目

2回目も失敗。カラメルソースを今回始めて作ったが、一気に味が変わる。
最初にカスタードクリームにカラメルソースを合わせた人は天才だと思う。

※今回は小麦粉を使っていないので、正しくはアングレーズソースだと思うが、この投稿では一般的なカスタードクリームとする

3回目

前回までの失敗を踏まえ、蒸し具合は気にせず時間で切ってみた。
これがまぐれで、絶妙のトロトロ具合に。
ここでカスタードクリームは火を入れて固めると味が変わる事を知る。
ただ、火の入り具合が均一ではない。これが次の課題。
あと、ちゃんと火が入ってないと甘さがくどくなる気が。若干もたれるというか。

4〜5回目

ここから蒸す時間を変えてくが、なかなか上手くできない。

6回目

柔らか過ぎ。
ここで固まってないカスタードクリームは生臭さがあることに気づく。
これが生クリームなのか卵なのか。はたまたどちらもなのか。
やはり均一に火を入れて均一に固める。これが重要だと気づいた。

余談だが、ネットで素人のレシピを見ると、この固まってない状態のプリンを『なめらか』と表現して絶賛してるのが多いが。
俺の中では違う。生臭いし、蒸し方に失敗した一品、というイメージしかない。
なので、ほとんどの場合、バニラビーンズやバニラエッセンスを入れてる場合が多い(これで生臭さが消える)。
言い方が悪いが、生臭さをごまかしてるだけ。

俺が目指してるプリンは、これではない。香料は入れたくない。

目標を再設定

ここで目標を再設定する。
『パステルなめらかプリンを超えること!』では曖昧すぎる。
この目標を達成するのであれば『パステルなめらかプリンは何なのか?』という明確な定義が必要になる。

なので自分の中で、もっと具体的で明確な目標を設定した。
目標は以下。

  1. 固くないこと
  2. 柔らかくトロトロだがちゃんと火が入って固まっていること(固まらないと若干卵の生臭さが残る)
  3. 砂糖/卵/生クリーム/水以外は使わないこと
  4. プリンのどこを食べても柔らかさが均一であること
  5. 4つ作るプリンのどれを食べても柔らかさが同じであること
  6. カラメルは苦すぎず、液状であること

今回色々調べると喫茶店等々は(1)の固い場合が多い。これを作るのは簡単。固すぎると舌触り、味も変わってしまうので俺の中では絶対に無い。
(ただし、これはこれで美味いし、一定数、固いプリンを支持する層もいる)
(2)は前述の通り。
(3)については、ちょっと良いスーパーやデパ地下なんかに売ってるのは、ほぼ香料やゼラチンが入っている。色々入ってるプリンはどこでも買える訳で。せめて自分で作るプリンは砂糖/卵/生クリーム/水だけで作りたい、と思った次第。
(4)(5)に関しては、均一でないと素人くさい(素人なんだが)。柔らかさが均一だと味がワンランクアップする。
(6)に関しては苦味と同じようにかなり煮詰めて固まるくらいのカラメルソースも試してみた。が、やはり液状のカラメルソースが美味い。

これを目標として再設定した。

7回目

前回から微妙に蒸し時間を増やして見た目は非常に理想に近いプリンが。
どこを食べても均一の柔らかさ。
ただプルプルというより練っとりといった感じ。
口に入れた時の濃厚なカスタードクリームが練っとりした舌触りで、カラメルソースの芳醇な香りが。
今まで食べてきたプリンの中で一番美味い。
初めて自分で納得できるプリンができた!
これは目標達成として良いのではないだろうか。少なくとも再設定した目標を全てクリアしている!

ただ、もう少し柔らかく出来ないだろうか?
今後も蒸し時間を30秒単位で調整していきたい。

カラメルソースについて

今回プリンを作って気づいたのだが。自分で作るとカラメルソースがとにかく美味い!
苦味と芳醇な香りはブランデーのようで、プリンの生クリームや卵の匂いをうまくカバーするというか。本当に好きになった。

俺は加熱具合によって、勝手に『ライト』『ミディアム』『ダーク』と名付けて色々試したが。
牛乳などで作ったサラサラ系のプリンならライト。
生クリームや卵黄のみで作った濃厚系ならミディアムが合うと思う。
俺はミディアムが好き。妻はライトが好きらしいので女性や子供はライトを好むのかもしれない。
ちなみにだが、ダークは苦味がもちろんだが若干の酸味が出るような。これはこれで何かの料理に合いそう。

ただ砂糖を水で加熱しただけのカラメルソースも奥が深い。

レシピ

いつも作っているレシピは以下。
(前述の通り、小野さんのレシピ通りなのだが、家庭でも作りやすいように生クリームはワンパック使い切るように量を変えている)

プリン(カスタード・クリーム)-4人分(90cc容器4個分)
全卵・・・・1個
卵(黄身)・1個
砂糖・・・・43g
生クリーム・200ml

カラメルソース
砂糖・・・・43g
水・・・・・20ml + 40ml

カラメルソース

  1. 鍋に砂糖と水(20cc位)を入れて中火で飴色になるまで火を入れる
  2. 煙が立って蒸発したら火を止めて水を40ccほど入れてよくまぜる(この水の量でトロトロかサラサラが決まる)

カスタード・クリーム

  1. 鍋に砂糖と生クリームを入れて沸騰寸前まで温め、砂糖を完全に溶かす
  2. 卵を溶いて、濾し器で濾して鍋に入れてかき混ぜる

お菓子でも何でもそうだが、牛乳や生クリームを温める工程が必ずある。
俺はてっきり砂糖を完全に溶かす為だと思っていたが。
本来の意図は水と油は混ざり合わないが卵が乳化剤となって乳化させる為らしい。
なので生クリームと卵を合わせたら、しっかりと混ぜ合わせる
そして、かくはんする意味でも3回程濾した方が美味くなるらしい。

プリン

  1. カラメルソースを容器にの底に入れる
  2. もう一度濾したカスタード・クリームを静かに注ぐ
  3. 鍋に水を入れ沸騰させる(水の量は容器の2/3の高さ)
  4. 水滴が入らないように容器にアルミホイルで蓋をする
  5. 沸騰したら一番小さな火にして容器を入れる
  6. 蓋をずらして11〜12分蒸す(※1)
  7. 火を止めて蓋を閉めて、予熱で8分蒸らす
  8. 8分経ったら鍋から容器を出し、アルミホイルを取って冷ます(※2)
  9. 冷蔵庫で4時間以上冷やして完成

※1) 蒸す環境にもよると思うが、11分で非常になめらかになる。12分で練っとりとしたプリンに。1分単位で好みを探すのが良いかも。
※2) この時点では固まってなくて成功。表面が固まっていると蒸し過ぎ。

茶碗蒸しもそうだが、プリンも作りたても美味い。
ただ冷蔵庫で4時間以上冷やすとカスタード・クリームの食感が明らかに変わる(練っとりなめらかになる)。
やはり4時間以上冷やして食うのが合うと思う。

まとめ

何故こんな事をして、わざわざブログに書いたのか?(しかも社長のブログに)
何度も何度もやっているうちに、仕事に通じることが沢山あるな、と。

プリンを作ろう!と思っても『いやいや、プリンなんてコンビニでもどこでも売ってるし!』と思ったら、今回の、この最高に美味いプリンにはたどり着けなかった。

人間って、歳を取るにつれ、常識的になって保守的になっていくと思う。
でも、本気で挑戦してみる。
そうすると何度失敗しても最高に楽しくなってくる
そして必ず結果がついてくる

何歳になっても、趣味と仕事には本気で向き合おう!と思った次第。

ウチの冷蔵庫を開けると、最高に美味い、近所の店では手に入らないようなプリンが常にストックしてある。
なんとも幸せな瞬間である。

株式会社woodsmallの小林でした。

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